男性と女性の脱毛の違いとは？ 原因・進行パターン・治療法

男性の脱毛の特徴：M字型脱毛から全体の薄毛へ

① M字型脱毛の進行パターン

男性の脱毛は、額の生え際（ヘアライン）が後退することから始まることが多く、特に両端の角が後退する「M字型脱毛」が初期の症状としてよく見られます。この状態が進行すると、前頭部の髪が徐々になくなり、最終的には頭頂部の薄毛とつながることがあります。

② 遺伝が大きく影響する

男性型脱毛症（AGA）は、遺伝の影響を強く受けます。家族に脱毛の症状がある場合、自分も同じように進行する可能性が高くなります。お父さんやおじいさんの髪の状態を見ることで、将来的な薄毛の傾向をある程度予測することができます。

③ 進行度合いは人それぞれ

すべての人が同じように薄毛になるわけではなく、M字型のまま進行が止まる人もいれば、前髪が完全になくなる人、側頭部や後頭部の髪だけが残る人など、進行度合いは個人差があります。

‍

女性の脱毛の特徴：分け目の広がりと全体的な薄毛

① 分け目が広くなるのが特徴

女性の脱毛は、男性のように額の生え際が後退するのではなく、髪の分け目が広がる形で進行します。健康な髪の状態では、分け目が細く見えますが、脱毛が進行すると分け目の部分の頭皮が目立つようになり、全体的に髪の密度が低下していきます。

② 遺伝とホルモンの影響が大きい

女性の脱毛も遺伝の影響を受けます。特に、更年期以降はホルモンバランスの変化により、薄毛が目立ちやすくなります。女性ホルモン（エストロゲン）は髪を守る役割を果たしますが、年齢とともに減少し、男性ホルモン（テストステロン）の影響を受けやすくなるためです。

③ 妊娠・出産後のホルモン変化による脱毛

妊娠中は女性ホルモンの影響で髪の成長が促されますが、出産後にホルモンバランスが元に戻ると、一時的に大量の髪が抜ける「産後脱毛」が起こることがあります。ただし、これは一時的なものであり、通常は自然に回復します。

‍

ダイエットと脱毛の関係：栄養バランスが鍵

ダイエットによって栄養不足が続くと、髪の成長に必要な栄養素が不足し、脱毛が進行することがあります。特に、家族に脱毛の傾向がある人は注意が必要です。

• 過度な食事制限はNG：極端な食事制限は栄養バランスを崩し、髪の成長に悪影響を与えます。
• タンパク質やビタミンを意識：健康な髪を維持するためには、バランスの取れた食事が重要です。

また、筋肉量を極端に増やすトレーニングは、男性ホルモンの分泌を促進し、脱毛を悪化させる可能性があるため、適度な運動が推奨されます。

‍

脱毛の診断方法：病院でのチェックポイント

① 肉眼での観察

まず、医師が髪の状態を肉眼で確認し、どの部分の脱毛が進行しているかをチェックします。

② 触診と抜け毛チェック

髪を軽く引っ張ることで、異常に抜ける髪が多いかを確認します。

③ 顕微鏡検査

顕微鏡を使って、頭皮の状態や毛髪の太さ・密度を調べ、脱毛の進行度を把握します。

④ 3Dスキャナー診断

専門の病院では、3Dスキャナーを使って頭皮の状態をより詳細にチェックすることもあります。

‍

脱毛の種類と原因

脱毛にはさまざまな種類があり、それぞれ原因が異なります。

① 男性型脱毛症（AGA）・女性型脱毛症（FAGA）

最も一般的な遺伝性の脱毛症。ホルモンや遺伝の影響で進行します。

② 円形脱毛症

ストレスが原因で突然円形に髪が抜ける症状。自己免疫反応が関与していると考えられています。

③ 牽引性脱毛症

髪を強く引っ張ることによって生じる脱毛。ポニーテールや髪を固く結ぶ習慣が原因となることが多いです。

④ 休止期脱毛症

病気やダイエット、出産後などで髪の成長が一時的に止まり、抜け毛が増える状態。

⑤ 老化性脱毛

加齢によって髪が細くなり、全体的にボリュームが減る現象。

‍

脱毛治療は早めが肝心！

脱毛治療は、早期に開始することで効果を得やすくなります。研究によると、脱毛が進行して5年以上経過すると、毛根が機能を失い、治療の効果が低くなるとされています。

「薄毛が気になるけれど、まだ大丈夫」と思っているうちに時間が経ち、治療が難しくなるケースも多いため、早めの対策が重要です。

‍

まとめ：脱毛の進行を防ぐためにできること

• 男性の脱毛はM字型から始まり、進行すると頭頂部とつながることが多い
• 女性の脱毛は分け目が広がる形で進行し、ホルモンの影響を受けやすい
• 過度なダイエットや極端な筋トレは脱毛を悪化させる可能性がある
• 脱毛の診断は、肉眼・顕微鏡・3Dスキャナーを使って行われる
• 脱毛治療は早めに始めるほど効果的

薄毛や抜け毛が気になったら、放置せずに専門医に相談することが大切です。早めの対応で、健康な髪を維持しましょう！

‍