薄毛対策❘脱毛症のすべて

1. 脱毛

髪の毛は、見た目や第一印象に大きな影響を与える要素の一つです。そのため、髪が抜け落ちる「脱毛」は、誰にとっても気になる現象でしょう。脱毛は自然な毛髪の成長サイクルの一部として起こるものから、病的な脱毛症に至るものまでさまざまです。特に現代社会では、ストレスや不規則な生活習慣、環境要因、さらには遺伝的要因などが複雑に絡み合い、脱毛症に悩む人が増加しています。

この記事では、脱毛の基本的な定義や発生メカニズム、種類、さらには脱毛がイメージや生活に与える影響について詳しく解説します。まずは、髪の成長サイクルや脱毛の発生メカニズムを理解することから始めましょう。その知識は、脱毛の予防や適切なケア方法を考える上で重要な手がかりとなります。さらに、具体的な脱毛症の種類や原因についても触れ、脱毛に対する理解を深めていきます。

本記事を通じて、脱毛に関する知識を深め、個々の状況に応じた適切な対策を見つける一助となれば幸いです。これからの髪と頭皮の健康を守るため、一緒に学んでいきましょう。

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1.1. 定義

脱毛とは、髪の毛が抜ける現象を指します。「脱（だつ）」は「離れる」、毛（もう）は「髪の毛」を意味し、身体の毛が自然に抜け落ちることを表します。一般的には頭髪が減少して目立つ状態を指しますが、脱毛は必ずしも異常な現象ではありません。すべての毛は一定の時間が経つと抜けるのが自然です。髪の毛は「成長期」、「退行期」、「休止期」の3つの段階を繰り返す毛髪成長サイクルを持っています。これら各段階の長さは、毛包の種類や部位によって異なります。

通常、髪の毛は80～90％が成長期、10～20％が休止期にあります。成長期の期間は平均して2～6年ですが、個人差があります。例えば、髪の毛があまり伸びない人は成長期が短い可能性があり、逆に髪がよく伸びる人は成長期が長い可能性があります。

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髪の毛と体毛の成長サイクルの違い

ヒゲの成長期は約1年、休止期は10週間で、全体の70％が成長期、30％が休止期となります。胸や背中の体毛は成長期が1～2年、休止期が3～6カ月で、成長期が30％、休止期が70％の割合です。これに対し、髪の毛は成長期が長く、より多くの割合を占めます。したがって、ヒゲや体毛は髪の毛よりも短くしか成長せず、密度も低いです。

1カ月あたり髪の毛は約1cm伸びるため、成長期が3年（1cm×36カ月＝36cm）の人は髪が40cm以上伸びにくく、成長期が6年（1cm×72カ月＝72cm）の人は80cm以上の長さになりにくいです。ギネス記録にあるような何メートルもの髪の毛を持つ人は、成長期が非常に長い特異なケースと言えます。

毛髪成長サイクルは有限で、成長期→退行期→休止期を1サイクルとした場合、通常20～25回ほど繰り返すと寿命を迎えます。このため、特に脱毛症がなくても年齢とともに髪の密度が減少するのです。例えば、1サイクルが3年の人は、60～75歳頃に脱毛が進行し、1サイクルが5年の人は100～125歳頃に脱毛が起きる計算になります。しかし、ストレスや遺伝、その他の要因で成長サイクルが短縮されると、若い年齢でも早くサイクルを消耗し、脱毛に至る可能性があります。

髪の毛の平均本数は、西洋人で約10万本、東洋人では5～7万本程度です。通常、1日に西洋人は100本、東洋人は50～70本が自然に抜けると言われています（個人差があります）。一時的にこれ以上の抜け毛が起こることもありますが、持続的に70本以上の抜け毛が続く場合、医療機関で診断や検査を受けることをお勧めします。

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1.2. 脱毛に悩む人はどれくらいいるのか？

韓国の国民健康保険公団が2021年7月に発表した内容によると、脱毛症で病院を受診した人の数は2016年には21万2千人、2020年には23万3千人で、年間平均2.4％の増加傾向にあります。特に男性患者は2016年の11万7千人から2020年には13万3千人へと13.2％増加し、女性患者は9万5千人から10万人へ5.8％増加しました。

2016年から2020年までの5年間で脱毛症治療を受けた人は87万6千人に達し、年齢別では20代が20.6％、30代が22.7％、40代が21.2％と、20～40代が最も多く見られます。

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1.3. 脱毛がイメージに与える影響

髪の毛は見た目の印象に大きく影響を与えます。頭全体の70％以上が髪の毛で覆われているため、脱毛が進行すると外見が大きく変わります。

2. 脱毛の種類

2.1. 典型的な脱毛（パターン型脱毛症 / patterned alopecia）

特定のパターンを持つ形で、最も一般的なタイプの脱毛症です。このタイプでは、徐々に髪の本数が減り、髪の太さが細くなり、色が薄くなります。男性の場合は主に前髪と頭頂部が影響を受け、女性の場合はつむじや頭頂部の髪の密度が低くなることが特徴です。

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2.1.1. 男性型脱毛症（Androgenic Alopecia または Male Patterned Hair Loss）

男性における脱毛症の大部分を占める非常に一般的なタイプの脱毛症で、いわゆる「ハゲ」と呼ばれる状態がこれに該当します。

男性ホルモンである**テストステロン（testosterone）が、5α還元酵素と結びついて生成される物質DHT（ジヒドロテストステロン, dihydrotestosterone）**が原因物質です。DHTが毛包（毛を作る組織）に長期間または大量に曝露されると、毛包が徐々に弱まり、髪が細くなり、最終的には髪の生成が止まります。すべての毛包がDHTに反応するわけではなく、DHTに対する遺伝的な感受性を持つ人だけが脱毛を発症します。

このことから、「去勢された人はハゲにならない」というヒポクラテスの仮説は正しいとされています。去勢された場合、テストステロンが存在しないため、それがDHTに変換されることがなく、脱毛が起こらないためです。

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男性型脱毛症の発生率

白人男性では、60％以上が男性型脱毛症を発症すると言われています。一方、韓国人男性では約15～20％が発症し、特に40～50代で症状が顕著になります。脱毛の進行段階としては、ノーウッド分類 IIIv型が最も多いとされています（出典: Yoo KH, Rho YK, Kim DH, et al. A clinical study of androgenic alopecia (VII) Korean J Dermatol. 2009;47:765-71）。

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男性型脱毛症と家族歴

男性型脱毛症は家族歴と非常に密接な関連があります。父親が男性型脱毛症の場合、その子供が脱毛を発症する可能性は2倍以上になります。母親や母方の祖父が脱毛症の場合でも、同様に脱毛の可能性が高くなります。

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症状の進行

男性型脱毛症は、前髪や側頭部のヘアラインが後退し、頭頂部の髪が細くなる、または抜ける形で進行します。初期段階では、額の生え際が少し後退し、頭頂部の髪が細くなり始め、額が広がっていく過程でM字型の脱毛が見られるようになります。その後、頭頂部の脱毛範囲が拡大し、毛の本数も減少していき、進行するとツルツルで滑らかな頭皮が目立つようになります。

通常は前髪から始まり、前髪と頭頂部が同時に進行するケースが多いですが、前髪から頭頂部に向けて進行するタイプもあります。この進行には数年から数十年かかることが一般的です。若い年齢で急速に脱毛が進行するケースでは、重度の脱毛症の家族歴や早期脱毛の家系がある場合が多いです。

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韓国人と西洋人の違い

韓国人は西洋人と比較して、頭頂部の脱毛がより一般的で、前髪の脱毛は比較的少ないとされています。韓国人の30～70代では、ノーウッド分類 III型の中程度のM字型脱毛が最も多く、70代以降ではVI型が最も一般的です。また、11.8％のケースでは、前髪の生え際が維持されたまま、女性型脱毛のようなパターンを示すこともあります。

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（出典：https://newhairps.com/nblog/1?page=7）